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さんのへ秋まつり 〜人手不足を逆手に!現代的に続くまつりへ新時代の挑戦!〜

2026.01.30

こんにちは!
私たちは、青森県立三戸高校3年みらい探究コースの堀内悠生 戸来結愛 山口すみれです。

今回は、三戸町の伝統行事の「さんのへ秋まつり」についての記事を紹介します。

さんのへ秋まつりの山車

私たちが今回、「さんのへ秋まつり」を取材対象として取り上げたのは、
三戸町で長く受け継がれてきたこのまつりの魅力を、改めて多くの人に伝えたいと感じたからです。

三戸町では、小中学生や三戸高校生をはじめ、多くの町民が秋まつりに参加してきました。
しかし現在は、人口減少などの影響により、参加する町内会が減少しています。

だからこそ、このまつりが持つ価値や意味を見つめ直し、伝統を後世につないでいきたいと考え、今回の記事として取り上げました。

はじめに、さんのへ秋まつりの歴史についてご紹介します。

さんのへ秋まつりの起源は、三戸大神宮の祭礼にあります。
町役場に残る記録によると、1761年(宝暦11年)に町人から神輿渡御(みこしとぎょ:みこしが町を練り歩く行事)が寄進され、この頃から神輿渡御が行われていたとされています。
※寄進とは、町の人たちが神社に神輿を贈り、祭りに使ってもらうことです

その後、江戸時代後期には、現在の山車運行につながる行事が始まり、400人以上が参加する大行列となりました。
時代とともに形を変えながら受け継がれ、現在の「さんのへ秋まつり」という名称で開催されるようになったそうです。

なお、1761年に寄進された神輿は、現在も同心町の熊野神社に保管されています。

昔のさんのへ秋まつりの様子

昨年のさんのへ秋まつりは、9月26日から28日までの3日間にわたって開催されました。
他地域の祭りと日程が重ならないよう開催時期を工夫した結果、3日間とも天候に恵まれ、無事に終えることができたそうです。

最終日には、山車を見送る多くの町民の姿が見られ、
また2日目のパレードには、町内外からたくさんの観客が詰めかけました。

2025年開催のポスター

三戸小中学校吹奏楽パレード

八日町町内会の山車

さんのへ秋まつりでは、近年いくつかの課題を抱えています。
コロナ禍をきっかけに、参加できる町内会が減少し、山車をつくる担い手の高齢化も進んだことで、参加できる山車の数が少なくなっています。

また、町内会によっては子どもの人数が少なく、まつりへの参加自体が難しい場合もあります。
山車づくりには多くの人手や体力、費用が必要となるため、その負担の大きさも大きな課題となっています。

こうした課題を抱えながらも、さんのへ秋まつりには、今も受け継がれてきた大きな魅力があります。
県内でも古い歴史を持ち、その歴史はおよそ270年以上に及びます。

中でも2日目に行われるパレードは、三社大祭から続く伝統を受け継いだもので、出演者の数が多いことが特徴です。多くの人が関わるこの行事は、さんのへ秋まつりの大きな見どころの一つとなっています。

また、祭りの掛け声である「よーし、よいさー」という独特の声が町に響き渡ることや、最後に山車を見送る際に鳴り響く喧嘩太鼓の迫力ある音も、このまつりならではの魅力です。
さらに、大正時代から続く仕掛け「どんでん返し」では、物語や場面が一気に入れ替わり、見る人を楽しませてくれます。

長い歴史の中で育まれてきたこれらの特徴が、さんのへ秋まつりを今も多くの人に愛される行事にしています。

課題がある中でも続いている理由や、まつりに込められた思いを知りたいと思い、さんのへ秋まつりの実行に大きく関わっている三戸町役場職員の大平さんと梅田さんに質問しました。

三戸町役場まちづくり課大平さんと梅田さん

質問① まつりの魅力を伝えるために、どのような取り組みを行っていますか。

今年度から、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用した情報発信を始め、あわせて祭り当日のライブ配信にも取り組んでいます。
また、ポスター掲示なども行い、町内外への周知を強化しているそうです。

祭りの様子をリアルタイムで発信することで、より多くの人に知ってもらい、知名度を高めることを目指しています。

質問② 参加型ふるさと納税の内容は、どのようなものですか。

参加型ふるさと納税では、
「山車制作体験」と「衣装を着て行列に参加する体験」の2種類を募集しています。

各町内会の山車組に参加し、実際の制作作業や上下行列の体験を通して、町の文化や祭りの魅力に触れてもらうことを目的としているそうです。

質問③ なぜ、ふるさと納税で祭りへの参加を企画したのですか。

町内会の人手不足が続き、祭りの参加者が減少していることが大きな理由だそうです。
また、三戸町に実際に足を運んでもらうきっかけをつくりたいという思いもあります。

これまで、ふるさと納税の返礼品はリンゴなどの「モノ」が中心でしたが、
体験型の返礼品を用意することで、三戸町や祭りに関わる人を増やし、関係人口の拡大につなげたいと考えているとのことでした。

質問④ 祭りの審査は、どのような方法で行われ、公平性はどのように保っていますか。

審査は、町内会の代表者6人に加え、他地域出身者など外部の審査員4人を含む、合計10人で行われています。
各審査員に採点表を配布し、すべての山車に点数を付けてもらう方法を取っているそうです。

長年の関係性による忖度が入らないよう、町内関係者だけでなく外部の視点を取り入れることで、客観的で公平な審査を心がけているといいます。
集計結果をもとに、山車制作部門や囃子・運行部門の上位が決まり、最も高い得点を獲得した山車が最優秀賞となる仕組みです。

今年の審査では、城南町内会が山車制作部門と囃子・運行部門の両方で優秀賞を受賞し、2部門制覇となりました。
その結果、城南町内会は最優秀賞に輝き、昨年に続く2連覇を達成しました。

また、元木平町内会も囃子・運行部門で優秀賞を受賞しています。

質問⑤ コロナ禍の影響はありましたか。

コロナ禍の影響により、令和4年度は1日だけの開催となり、それ以前の年は祭り自体が中止となっていました。
その結果、一度離れた参加者が戻りにくくなり、人手不足に拍車がかかったそうです。

また、こうした状況をきっかけに、町内会の中には山車の運行をやめる判断をしたところもあり、祭りの運営に大きな影響が出たとのことでした。

質問⑥ 祭りを今後も続けていくために、どのような取り組みを行っていますか。

祭りを将来につないでいくため、子どもたちが参加しやすい環境づくりに力を入れているそうです。
小中学生の参加費用については、実行委員会が1人あたり3,000円を補助し、金銭的な負担を減らすことで、誰でも自由に参加しやすくなるよう工夫しています。

また、金曜日を授業の一環として位置づけ、子どもたちの参加を促進しています。
さらに、山車制作にかかる費用についても補助金で支援し、町内会が山車を出しやすい環境づくりを進めているとのことでした。

質問⑦ 今後に向けて大切にしていきたいことは何ですか。

子どもたちが「楽しい」と感じる経験を積み重ねていくことを大切にしているそうです。
あわせて、費用面や人手面での支援を継続し、誰もが関われる祭りにしていきたいと話してくれました。

また、SNSでの情報発信や体験型ふるさと納税を通して町外からも関心を集め、
伝統を大切にしながら、現代的な形で“続く祭り”を目指しています。

質問⑧ 開催時期の工夫について教えてください。

以前は9月の第1週に開催していましたが、十和田市など近隣の祭りと日程が重なることから、現在は9月末の金・土・日に変更したそうです。

その結果、屋台の出店者数や来場者数が増え、町外からも訪れやすくなったと感じているとのことでした。

取材にご協力いただいた三戸町役場職員の大平さん、梅田さん、貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
お二人から伺ったお話を踏まえ、ここからは、さんのへ秋まつりがどのような流れで行われているのか、その構成について紹介します。

さんのへ秋まつりは、3日間にわたって行われます。
初日は「お通り」、2日目は「中日」、最終日は「お還り」という構成です。
それぞれの日には意味や見どころがあり、詳しくはこの後で紹介します。

初日:お通り

初日の「お通り」では、各町内会の山車が同心町に集合し、元木平に向けて合同で運行します。
運行中は、各ポイントで音頭を上げながら進み、町全体が祭りの雰囲気に包まれます。

山車の大きな特徴の一つが、町内に響き渡る「よーし、よいさー」という掛け声です。
子どもたちによる笛や太鼓のお囃子が加わり、祭りを一層盛り上げます。

また、行列は裃(かみしも)行列となっており、江戸時代の武士の礼装である裃姿の人々が並びます。
先頭には町長などが歩き、その後に都内獅子舞保存会が続きます。

二日目:中日

二日目の「中日」では、山車の運行は行われず、三戸小中学生やミューズ保育園、婦人会による流し踊りなど、さまざまなパレードが行われます。

中学生は、よさこい、扇の舞、雷神風神の舞、よさこいソーランを学年ごとに披露し、吹奏楽部による演奏も行われました。
また、斗内ナニャドヤラ保存会による踊りや、ウヒヤハの会による読み聞かせもあり、世代を超えて楽しめる一日となっています。

三戸学園7年生による三戸小唄

ミューズ保育園による山車運行

婦人連合会による流し踊り

最終日:お還り

いよいよ祭りも最終日を迎えます。
各町内会の山車が元木平に集合し、そこから合同運行が始まります。

町内に響き渡る「よーし、よいさー」という掛け声と、子どもたちの笛や太鼓のお囃子が重なり、祭りは最高潮に達します。
さんのへ秋まつりの中でも、最も盛り上がる一日となっています。

文章だけでは伝えきれない、さんのへ秋まつりの熱気や迫力は、ぜひ動画でも感じてみてください。
人の声や音、表情から、この祭りが多くの人に支えられ、受け継がれてきた行事であることが伝わってくるはずです。

実際の祭りの様子はこちらからどうぞ!

伝統を大切にしながら、現代的な形で“続く祭り”を目指す、さんのへ秋まつり。
気になった方は、ぜひ実際に足を運び、その魅力を体感してみてください。

秋祭りに関するお問い合わせ

さんのへ秋まつりに関する詳しい情報は、三戸町公式ホームページをご覧ください。
https://www.town.sannohe.aomori.jp/soshiki/machidukuri/kankou/matsuri_ibento/4995.html
(外部サイトにリンクします)

また、お問い合わせは
さんのへ秋まつり実行委員会事務局
(三戸町役場 まちづくり課内)
電話:0179-20-1117(直通)
までお願いいたします。

<編集後記>

今回の記事を書いてみて、これまで当たり前のように参加してきた祭りに、改めて多くの魅力があることに気づきました。
また、取材を通して、さんのへ秋まつりの歴史についても、これまで以上に詳しく知ることができ、良かったと感じています。

この祭りの魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたい。そんな思いが、以前よりも強くなりました。

三戸高校みらい探究コース

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