地域と観光客が交わる朝 – 館鼻岸壁朝市 –

2026.02.21

こんにちは!
三戸高校みらい探求コースの堀内悠生、戸来結愛、山口すみれです。

今回私たちは、日本最大級の規模とも言われる、八戸市の名物「館鼻岸壁朝市」をご紹介します。

ここには地域の人や観光客が多く訪れ、日本一早く会えるアイドルpacchi(ぱっち)や、地元八戸をはじめとした近隣エリアの多くのお店が集まっています。

私たちは、八戸市の魅力をより多くの人に知ってもらいたいという思いと、朝市という貴重な価値を伝えたいと考え、取材しました。

館鼻岸壁朝市

館鼻岸壁朝市について調べる中で、私たちは特に印象に残った二つの店舗を取材しました。

一つ目は「Yummy.s」。
代表の本庄孝浩さんは、三戸高校のある三戸町で生業を営みながら、館鼻岸壁朝市に出店されています。地元と朝市をつなぐ存在として活躍されています。

もう一つは「大安食堂」。
代表の荒澤忠明さんは、先に取材した本庄さんから「館鼻岸壁朝市のレジェンドの一人」と教えていただいた方です。長年朝市を支えてきた存在として、多くの人に知られています。

地域で挑戦を続ける人と、朝市を長く支えてきた人。
それぞれの立場から見た館鼻岸壁朝市の魅力を、実際にお話を伺いました。

焼きたて体験を届ける「Yummy.s」

まずお話を伺ったのは、「Yummy.s」代表の本庄孝浩さん。
本庄さんは、三戸高校のある三戸町で生業を営みながら、舘鼻岸壁朝市に出店しています。

Yummy.s 代表の本庄孝浩さん

店名の由来は、英語の「Yummy」から。「おいしい」という意味です。
ハワイの子どもたちが「ヤムヤム」と言う言葉の響きが温かく親しみやすいことから、「Yummy.s」と名付けたそうです。

朝市に出店して9年。
その原動力は、「焼きたての体験を届けること」だと話します。

「多くの人が、焼きたてのパンをその場で食べた経験がない。地域によって体験の差があると感じた」

その思いから、キッチンカーにはオーブンを積み込み、現場で焼き上げ、数十秒前のクロワッサンを提供しています。

一番人気は「プレミアムバタークロワッサン」。
次いで「チョコクロワッサン」も人気商品です。

Yummy.s 一番人気のプレミアムバタークロワッサン

朝市では朝4時半から焼き始め、9時までに約1000個を販売することもあります。
短時間集中型の販売のため、朝はひたすら焼き続けているそうです。

Yummy.s  のメンバー

「焼きたて体験の地域格差をなくしたい」

この言葉が素敵だなと思いました。

地元食材にこだわる「大安食堂」

本庄さんに朝市について伺う中で、
「館鼻岸壁朝市のレジェンドの一人」と教えていただいたのが、
大安食堂 代表の荒澤忠明さんです。

大安食堂代表の荒澤忠明さん

2006年創業、2009年から朝市に出店。
長年この場所を支えてきました。

看板商品は「しおてば」。
五戸町・田子町・三沢市など県内産の地元鶏を使用し、外はカリッと、中は肉汁が広がる一品です。

館鼻岸壁朝市名物しおてば

そして、朝市限定で販売している特別な商品があります。
それが「しおてばハーフ」です。

この商品が生まれたきっかけは、2011年の東日本大震災でした。
停電や物流停止、仕入れができない状況の中で営業を再開した際、荒澤さんは「支えてくれたお客さんや流通関係者へ感謝を伝えたい」と考えました。

その思いから、感謝品として「しおてばハーフ」を朝市限定で販売開始。
当時40円で販売を始め、その価格と形を14年間一度も変えずに続けています。

現在も朝市限定・税込40円。
販売開始は朝4時。
1人100本まで購入可能で、1日約800本が20分ほどで完売することもあるそうです。

雨の日も雪の日も必ず販売。
「感謝の品だから、値段は変えられない」と荒澤さんは話します。

地元食材へのこだわりだけでなく、震災をきっかけに生まれた“感謝の形”を今も朝市で続けており、地域に根ざしながら歴史を積み重ねているのだと感じました。

行列の絶えない大安食堂

本庄さん、荒澤さん、お忙しい中、取材にご協力いただき本当にありがとうございました。
お話を伺い、館鼻岸壁朝市の魅力をより深く知ることができました。

なぜ質が保たれているのか ― 館鼻岸壁朝市の出店審査

館鼻岸壁朝市は、誰でも出店できるわけではありません。

出店には役員による審査があり、商品の独自性や継続する意志が重視されます。
さらに特徴的なのは、役員全員の許可が必要であること。一人でも反対があれば出店は認められないそうです。

年間40〜50件の応募の中で、採用はおよそ8件ほど。
合格率は1〜2割と言われています。

また、現在出店している店舗とのバランスも考慮されます。

例えば、すでに複数店舗が出店している「唐揚げ」のような人気ジャンルに新規参入する場合、相当な独自性がなければ認められないこともあるそうです。

さらに、新規出店者の継続も簡単ではありません。
新規出店者の中には、出店後3か月ほどで撤退してしまうケースも多いといいます。

コロナ禍では、朝市が唯一の販売機会として注目され出店希望が増えましたが、コロナ明けには撤退する店舗も少なくなかったそうです。

単に「出店できるか」だけでなく、続けられるかどうかも問われる。
この厳しさが、館鼻岸壁朝市の魅力に繋がっているのだと感じました。

冬開催という新たな挑戦

館鼻岸壁朝市では、冬期間の開催にも取り組んでいます。

朝市は今年1月から、海沿いの第3市場A棟に会場を移し、冬期間の開催を実施しています。
冬の観光を盛り上げる新たな取り組みとして、期待が高まっています。

第3市場A棟での開催では、室内に約50店舗、屋外にはキッチンカーなど約30店舗が出店しているそうです。
寒さの厳しい季節でも楽しめるよう工夫が進められており、館鼻岸壁朝市は今も形を変えながら進化を続けています。

冬開催など新たな取り組みが進む館鼻岸壁朝市ですが、会場はとても広く、お店の数も多いのも大きな特徴です。
初めて行く方は、気になるお店の場所を先に見ておくと、よりスムーズに朝市を楽しめます。
訪れる前に公式サイトや朝市マップ(有料)でチェックしておくのがおすすめです。

季節を問わず楽しめる館鼻岸壁朝市。この記事を読んで、少しでも「行ってみたい」と思ってもらえたらうれしいです。ぜひ一度、現地のにぎわいを体感してみてください。

〈館鼻岸壁朝市〉

所在地:青森県八戸市新湊三丁目
開催日:例年3月中旬〜12月 毎週日曜開催
    ※冬開催については公式情報をご確認ください
時 間:早朝〜午前9時頃まで
特 徴:日本最大級の規模/約300店舗前後が出店

〈編集後記〉

今回この記事を書いて、朝市に出店するためには、本気で続けていく意志が大切にされていることが分かりました。また、冬場でも開催されていると知り、観光客も増えているそうで、私たちも実際に行ってみたいと思いました。

三戸高校みらい探究コース

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私たちの感じた地域の魅力や興味を記事にしました。